くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

実力の定義「オレたちは1+1で200だ10倍だぞ10倍」を求める式

過去記事

www.kumonoshu.com

のまとめと続きを書きます。

 

プロレスラーA、Bのシングルの力を、それぞれ、a,b と書く。AがBをサポートする力を
a×b
と表す。プロレスラーのタッグの力を次で定義する。
 
定義:プロレスラーA,B のタッグの力は
a+b:=a×b+b×a
である。ここでa,b はA、Bのシングルの力である。
注:右辺のタッグの力の和+ は、サポートする力の和+で定義されることに注意せよ。
 
例1:天山小島が10倍の場合
天山小島 = 天山×小島+小島×天山 =10×10+10×10 =200
であるが、オレたち(天山小島)を1+1と記述すると
1+1=200
 
例2:プロレスラーのタッグの力を求める足し算は、通常の足し算を拡張したものである。実際、タッグのサポートが無い場合、
a×b = a
b×a = b
が成り立つので
a+b=a×b+b×a =a+b
が得られる。
つまり、通常の足し算とは、2つの数がお互いに何のサポートもせずに足されているので1+1は2になる、ということである。逆にいうと、互いにサポートすれば
1+1は3にも4にもなりえる、
ということが分かる。
 
続く
 
 
読んでくれてありがとうございます。

「オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」の証明

プロレスラーの天山・小島(タッグ名テンコジ)の名言が正しいことを証明します。
 
定理:(天山、小島)
1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍。
証明:
プロレスラーA、Bのシングルの実力を、それぞれ、a,bと置き、タッグの実力を
a+b ・・・(1)
と記述する。タッグでは、片方がメインで、片方がサポートであり、タッチをすることによりメインとサポートが入れ替わると考えられる。そこで、
Aがメイン、Bがサポートのときの実力をa×bとし、
Bがメイン、Aがサポートのときの実力をb×aとすると、
タッグの実力は、その和
a×b+b×a ・・・(2)
で表せる。
(1)(2)は共にタッグの実力であるので、形式的に
a+b=a×b+b×a ・・・(3)
と等号が成立する。
今、対戦相手のシングルの実力を
a=b=1
とする。定義より、天山、小島のシングルの実力は対戦相手の10倍、即ち、
天山=小島=10
である。
a=天山 =10
b=小島 =10
と置き、(3)に形式的に代入すると
天山+小島
=10+10
=10×10+10×10
=200 ・・・(4)
である。一方、「オレたちは1+1」より
天山+小島 =1+1 ・・・(5)
が成り立つ。(4)と(5)より
1+1 =200
が得られる。
 
Remark:
タッグの実力が
1+1=2
となることもあり得る。実際、
a=b=1
とすると、(3)より
1+1=1×1+1×1=2
より
1+1=2
が成り立つ。□
 

自明な群を用いて、「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」を分析してみた。

普通の数(自然数)の足し算は、
1+1=2
1+2=3
2+2=4
・・・
であり、例えば、ミカンの個数を足したらいくつになるのか計算する際に使えます。
 
自明な群とは、簡単にいうと、すべての数が0と等しいという状況。
0=1=2=3=・・・
が成り立つと考えてください。
 
自明な群の演算は
0+0=0
しかありません。
 
この自明な群は、プロレスラーの天山・小島(タッグ名テンコジ)の名言
「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」
の分析に適用できます。
 
次の定理が成り立つ。
 
定理:(天山・小島)
プロレスの実力を自明な群と仮定すると、
「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」
証明:
計算ミスがないことの証明すれば定理の証明として十分であろう。
定説では、100倍と言うべきところを10倍といい間違えた、と言われているが、
プロレスの実力を自明な群と仮定すると、
すべての数は0であるので
「0+0は0じゃないぞ。オレたちは0+0で0だ。0倍だぞ0倍」
となり、
「0+0は0じゃないぞ。」
の部分が不合理である。
つまり、
「1+1は2じゃないぞ。」
のみが不合理であるが、これは文脈から推測すると意図的であり、決して計算ミスではない。
 
上記の定理は、プロレスの実力を自明な群であると仮定している。一方、テンコジの発言は何の仮定もない。よって、上記定理は不十分であり、自明な群を仮定せずに再度、証明しなおす必要があろう。
 
次回、自明な群を仮定せずに
「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」
を証明します。
 
続く。
 
読んでくれてありがとうございます。

全員合格するテストの配点と採点基準の例

問題数が5個のテストの場合。
 
通常のテストの配点と合格基準の例
問題数は5個。
各問20点。
100点満点。
60点以上を合格とする。
 
全員合格するテストの配点と合格基準の例
問題数は5個。
各問0点。
0点満点。
0点以上を合格とする。
 
計算例。
A君のテスト結果が、
問題1は○
問題2は○
問題3は✕
問題4は✕
問題5は✕
とします。
 
通常の場合(各問20点で合格点は60)だと
20+20+0+0+0=40
で、合格基準の60点に満たずA君は不合格。
 
しかし、全員合格する配点(各問0点で合格点は0)だと
0+0+0+0+0=0
で、合格基準の0点に達してA君は合格。
 
注:はじめから、全員合格、と決めているなら配点は各問0点で問題ありませんが、実際には、合格でも、優、良、可、等の成績の違いがあるので、通常の配点で計算せざるを得ないでしょう。
 

この配点は自明な群です。それがどういう意味かということは過去記事にありますので、興味がある方は読んでください↓

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最後まで読んでくれてありがとうございます。

 

続く

テストがダメでも全員救済する場合、テストの得点は自明な群です。

 

の続きです。

 

100点満点のテストの場合、60点が合格ラインであることが多いです。
60〜100点は合格。
0〜59点は不合格。
という基準です。
 
もし、仮に、テストが出来なくて素点が低い人を、救済して合格にするとしましょう。私の場合、こんな気分になります。
 
60〜100点で合格。これは普通。
50点代でも合格。救済でありそう。
0〜49点でも合格。ここは悩む。
 
ところで、前回書きましたが、テストを採点する前に、「テストできなかったので、救済してください」と頼んできた学生がいました。
採点前ですから、その学生の得点が分からず、どのように対応すればよいか、難しかったです。もし、この段階で「救済する」と伝えたとすると、素点0点でも救済ということにもなりかねません。つまり、テストを受けた人、全員を救済(合格=単位出す)ということです。
 
ところで、全員合格とは、
 
0〜100点を同じ扱いにするということです。これは、全員を0点扱いすること、
 
0点=1点=2点=...=100点
 
ということです。
 
仮に、合否のみが重要で、成績の違いを気にしないとすると、
全員救済するテストの得点は、全員0点で構いません。というのも、合格点を0点にすれば、全員合格するからです。
 
何問正解しても0点とすれば、0点以外に得点はなくなります。そして
0+0=0
以外に足し算がない、ということになります。
 
これは粘土の個数の話と似ています。
 
ギュッと握ると複数の粘土も1個になるので、粘土の個数は1個しかありません。そして、1つの粘土と1つの粘土を足すと1つの大きい粘土になるので、
1+1=1
以外に足し算はありません。
 
得点の場合は0、粘土の場合は1と、表記の違いはありますが、数学的な構造は同じです。
 
数がaしかないので、足し算も
a+a=a
しかない、という構造です。
これを、数学では、自明な群と呼びます。
 
全員を救済すると、テストの得点は粘土の個数と同じ構造(自明な群)になる、という話です。
 
 
読んでくれてありがとうございます。
 
過去記事に粘度の個数の話があります。例えば↓
読んでくれたら嬉しいです。

定期試験が出来ないから救済してほしい学生の話

とある大学の定期試験の話です。
 
その時、私は試験官をしていたのですが、テストを回収して帰ろうとしたときに、一人の学生が私を呼び止めて、こう言いました。
 
「僕は不合格だと思いますので救済してください」
 
この学生の心情は分かります。相当、テストができてない自覚があるのでしょう。このままだと不合格になると思っているのでしょう。
 
しかし、試験官側から見ますと、テストが終わった直後に救済を頼むのは早すぎだと思います。
 
そもそも採点する前です。テストの難易度が高すぎて平均点が低い場合は、素点が低くても合格、ということもありえます。問題が解けなくても、部分点もあります。
 
どちらにしても、採点前ですので、この学生が合格点に達している可能性はあります。
 
というわけで、その場では救済するかどうか確約しませんでした。
 
 
この話のポイントは、定期試験の得点が低い人を、どのタイミングで救済するかという話です。
 
私の考えでは、救済するとしても答案を添削した後です。というのも、仮に添削前に救済をすると、
 
テストの得点は粘土の個数と同じになるからです。
 
 
次回、なぜ、テストの得点が粘土の個数になるのか。その理由と意味を解説しようと思います。
 
読んでくれてありがとうございます
 
粘度の個数についての過去記事は↓

粘土の個数が1+1=1であることを証明してみました。

過去記事、「粘土の場合、1+1=1 となる、という発想は自明な群の話です」をまとめると、次の定理になります。

 
エジソン少年の定理: 1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるので
1+1=1
 
証明:
1つの粘土は2つにちぎることができるので
 
1=2
 
である。上式の両辺から1を引くと
 
0=1 ・・・(1)
 
一方、
 
0+0=0
 
は自明。上式に(1)を代入すると
 
1+1=1
 
読んでくれてありがとうございます。
 

過去記事