くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

粘土の場合、1+1=1 となる、という発想は自明な群の話です。

過去記事

の続きです。
小学生(子供時代のエジソン)に
 
先生〜、1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるから、1+1は1だよね。
 
と質問されたら、先生はどう答えるとよいのか、考えてみよう、という話の続きです
 
では、続きを書きます。
 
私がこの話を聞いたとき、実はエジソン少年、1+1の意味を分かっていると思いました。
例えば、粘土じゃなくてミカンだったら、
1+1は2
と分かっていると思うのです。恐らく、ミカンを例にエジソン少年に1+1を説明すると、
 
先生〜、1つのミカンと1つのミカンを足したら2つのミカンになるから、
ミカンの場合は、
1+1は2
は分かるよ!
でも、粘土の場合は違うよね!!
そうだよね!!!
 
と反応すると思うのです。
もし、そうだとしたら、エジソン少年の考え方は正しいです。
 
1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるから
1+1は1
 
は正解です。間違っている所、ないです。
 
もう少し考えてみましょう。
1つの粘土をちぎれば2つにもなるし、もっとちぎれば3つにも4つにもなります。よって粘度の場合、個数は
1=2=3=4=…
です。いくつにでも、ちぎれるから。よって
1+1=2=1
と計算できます。というわけで
粘土の個数の場合、1+1は1でいいのです。何個の粘土でも、全部まとめて、ぎゅっと握れば1個になるから、個数は常に1でいいのです。
 
数学的に一言で言えば
 
粘度の個数は自明な群です。
 
…すみません。自明な群と言っても分かりづらいですよね。でも安心してください。自明な群とは何かを、粘土を例に説明します。
 
1つの粘度を2つにちぎれるから
1=2
ですよね。この両辺から1を引くと
1-1=2-1
より
0=1
となります。粘土の場合、いくつにもちぎれるので
0=1=2=3=....
となります。つまり、すべての数は0と同じ。ということは、数は0しかない、ということです。0しか数がないなら、足し算は
 
0+0=0
 
以外にありません。
 
このように、数が0だけしかないので
 
0+0=0
 
以外に足し算がないものを、自明な群、といいます。
 
粘土の個数は自明な群である
 
と考えれば、粘土の個数の足し算は
 
0+0=0
 
以外にありません。ここで、
 
0を1と書き直すと
 
1+1=1
 
となります。つまり
 
1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になる
 
と言えるのです。
 
明王エジソンは小学生のときに自明な群を発見していた、ということです。
 
ところで、自明な群の場合、数は0しかありません。それに、
0+0=0
以外に足し算が無いとしたら、何の役に立つのか分かり辛いです。
 
ですので、エジソン少年の発想
 
1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるから1+1は1
 
は正しいけど、実用上の価値は無さそうです・・・・が、話はまだ続きます。
 
 
次回、自明な群では数は0しかなく、足し算は0+0=0だけです。この自明な群が何の役に立つのか考えてみます。
の前に、粘土の個数の場合に1+1=1であることの証明を書きます。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。

子どもの頃のエジソンは1+1=2が分からない劣等生という問題

教育の話なんですけど、
子どもの頃は劣等生だったけど、大人になったら天才になった、
って話、ありますよね。
例えば、発明王エジソンとか。
エジソンは小学生の時
1+1=2
に疑問を持って、
 
なんで1+1は2なの?
 
と先生に質問したの。そしたら、
 
お前アホか!
 
みたいなこと先生に言われて。ショック受けたんでしょうね。不登校になっちゃったの。
でも、エジソンの母親が偉くてね。
 
そんな学校行かなくていい!お前は賢い!
 
って感じで励ましてね、自宅学習で、お母さんが直接、エジソンに勉強教えてね、ほんと、すごく勉強して、電球とかレコードとかいろいろと発明して、大金持ちになったんです。
 
不登校だけど家庭教育で発明王
セレブの仲間入りですよ。
 
この逸話。
劣等生でも頑張れば天才になれる、みたいな話。
夢があっていい話なんですけど、分からないことがあるんです。
 
なんで1+1は2なの?という質問に、エジソンのお母さんは、なんて答えたの?
 
ググっても分からなかったんです。出てくるのは 1+1=2の理由とか。それが定義だから、とか、ペアノの公理が~、とか、そういう話。
数学的には正しい話と思います。でも、小学生のエジソン
 
ペアノの公理がなんたらかんたら・・・
 
って話をしても、納得してくれないと思うんです。
 
ここで言いたいのは、子育ての話。
子どもの疑問をどうやって答えたらよいか?
 
エジソン少年は
 
1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるから、1+1は1でしょ?
 
と言ってたそうなんです。この疑問に対する答えはどんな感じかな?って思い、ググってみたら、
 
粘土の重さで考えると1グラム+1グラムは2グラムだよ〜♪
 
という説明が見つかったんですけど・・・・これ難しいです。元々、個数についての疑問なんだから、重さで説明するのは話のすり替えだと思うし、1+1に疑問を持ってる小学生に
 
重さで考えてみて〜♪
 
って教えるのは、まあ、なんというか、難易度上がってます。因みに
 
体積で考えてみて〜♪
 
は、もっと難しい。粘土の体積って、難しいよ。変形するから。っていうか
 
体積ってなんですか?
 
ってツッコミ入れられたらどうする?
まあ、大人相手なら測度論を使って煙に巻くといいかも。
 
まずは、粘土からなる集合の全体ががシグマ加法族を形成するかどうかを考察しなければならないんですけど・・・・
と説明すれば、数学が苦手な人は興味が無いから話題を変えてくれるし、数学が得意な人でも分かったふりをしてから話題を変えてくれるから。
 
でも相手は小学生。しかもエジソンですよ。
真面目に教えないとね。
 
では、仕切り直し。
 
1+1はいくつですか?
という問題は
1個と1個を、合わせて何個になるか?
という問題ですよね。で、
粘度なら、合わせると大きい1個になる
エジソンが答えたんですよね。
この場合、私なら、こう答えます。
 
さすがエジソンさん。正解です!
 
 
次回、エジソン少年の質問を数学的に考察すると、どうなるのか?なぜ、正解と言えるのか?を解説する予定です。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
 
 
 
 

The Intelligence Trap なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか?という本の感想

という本、結構面白いです。この本、
賢い人でも愚か
ではなく、
賢い人ほど愚か
という内容で、
賢い人 ≒ IQが高く知識や経験も豊富な人
が陥る愚かさの実例が多数記載されています。
例えば、ノーベル賞受賞者だが宇宙人による誘拐事件等を信じたり(キャリー・マリス)、著名な作家だが心霊術、妖精が撮影された写真を本物と信じたり(コナン・ドイル)、賢い人の愚かさの実例が書いてあり、これだけでも面白いのですですが、本書では
認知心理学の「二重システム理論」
と呼ばれている方法で、賢い人が愚かになる原因を分析しています。
 
なぜ、賢い人ほど愚かになるのか?
本書の内容を元に、解説してみます。
まず、私たちの思考方法を、「直観的で無意識的な思考」と「分析的で意識的な思考」の2つに分類します。この2つを
  • システム1(直観的、無意識的な思考)
  • システム2(分析的、意識的な思考)
と呼びます。この2つのシステムのメリットとデメリットは次の通りです。
  • システム1を使う思考
    メリット:直観的に判断するので速く結論を出せる。無意識的だから疲れない
    デメリット:無意識的に感情の影響を受けて、間違った結論を出してしまう。
  • システム2を使う思考
    メリット:分析的に判断するので論理的な結論を出せる。
    デメリット:分析に時間がかかるので結論を出すのが遅くなる。意識的だから疲れる
「賢い人」は、システム1,2の両方とも優れている人のことです。
システム1が優秀な人とは、専門知識や実務経験が豊富な人でしょう。熟練した専門家はこれまでに蓄えた知識と経験で、直観的に判断できます。
システム2が優秀な人とは、IQが高くて論理的な人でしょう。地頭が良いとか、学歴が高いとか、そんな感じの人でしょう。
 
多くの人は「システム1」を使って迅速に結論を導き出し、「システム2」を使って結論の正しさを確認します。
  1. 直観的に結論を出す(システム1)
  2. 結論の正しさを確認する(システム2)
という順番です。
つまり、考えてから結論を出しているのではなく、結論を出してから考えているのです。これは、専門家も同様です。専門家は考えなくても正しい結論が出せるように訓練されている人です。専門知識や実務経験を積むことで、直観的な判断の正確度が高くなっているのです。とはいえ、専門家でも感情に引きずられて間違うことはあります。例えば、質問をたくさんする患者は医師から誤診されやすくなるそうです。質問が多すぎると医者の感情が害されて、無意識的に間違った判断をされやすくなるからです。(メモ:本書によると、マインドフルネス≒瞑想する、日記をつける、感情に名前を付ける等の方法で、この種の感情に起因する間違いを減らせます)。
ここまでは、システム1の話です。ここで注意してほしいのは
システム1(直観)は間違うこともある
ということです。
 
専門知識や実務経験が豊富な人ならば、直観的に正しい判断ができるようになりますが、それでも、間違うこともあります。そこで、重要なのはシステム2です。システム1の間違いをシステム2で訂正すればよいのです。
システム2の分析力を使って、結論の間違いを訂正すれば、正しい結論が出せるようになります。
以上をまとめると、
(知識経験が豊富ならば)システム1で直観的に正しい結論を出せるので、結論の正しさについては後からシステム2を使って考えればよい。
ということです。これが、迅速に正しい結論を出せる、「賢い人」の思考法です。
 
では、ここからが本題です。
なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか?
原因は、直観が間違うことがあるからです。直感的判断が間違っていたとき、「賢い人」は自分の誤りを認め辛い傾向があります。
賢い人 ≒ IQが高く知識や経験も豊富な人
は自分の判断に自身があるので、誤りを認め辛いのです。そして、自分の間違った直観を正当化しようとします。その際に、システム2(分析的、意識的な思考)が使われます。このとき、「賢い人」ほど愚かな状況に陥ります。なぜならば、
賢い人 ≒ IQが高く知識や経験も豊富な人
は能力が高いので、不合理な結論を正当化する理屈を思いついてしまうのです。
皮肉にも、知的能力の高さが不合理な結論を強化してしまうのです。この間違いは、知識を増やしても防げません。システム1とシステム2を別々に鍛えても不十分なのです。
以上をまとめると
賢い人ほど間違った直感を正当化する理屈を思いついてしまうし、自信過剰で自分の直感を盲信する傾向があるので、賢い人ほど愚かな決断を下す
ということです。
 
愚かな決断を防ぐには、直観(システム1)の誤りを分析力(システム2)を使い訂正する必要があります。自分の誤りを素直に認めること。知識不足を自覚し、反対意見に耳を傾けること。感情や直感から生ずるバイアスを訂正する必要があります。
 
謙虚さがあれば不合理な決断をすること未然に防げます。
賢い人でも謙虚さが必要
ではなく
賢い人ほど謙虚さが必要
なのです。
 
以上は
のごく一部を私なりに解説したものです。
 
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
 

子どものお手本になる大人に注目しよう。文化がヒトを進化させたの感想その2

うちの子、赤ちゃんと幼児の2人の女の子。姉と妹でいつも仲良く遊んでるんですけど、下の子(妹)ってすごいですね。何がすごいって、自己主張!上の子(姉)が遊んでいるものを何でも欲しがり、奪い取ろうとして大騒ぎ。赤ちゃんなのに、何でもしたがる、マネしたがる。非常にグレッシブです。年下の子は年上の子の真似をしたがる、ということはよく聞きますので、まぁ、順調に育っているということでしょう。
 
という本を最近読んでいます。

文化がヒトを進化させた

赤ちゃんは有能で信頼できる人のまねをする

って書いてありました。本から引用します。
乳幼児や子どもは、よく見知っている相手で、なおかつ、有能で信頼できる人のまねをすることが明らかになっている。それどころか、満一歳のときにはもう、自分なりの知識を生かして物事を知っていそうな人物を選び、その技能に関する情報をもとに注意を向け、学習し、記憶していく。
つまり、乳幼児の段階で、
良く見知っている相手=家族
の中から、
有能で信頼できる人
を見抜いて、その人のマネをしているということです。
ここを読んで私は思ったのですが、
赤ちゃんにマネされているかどうかを基準に、家族内で有能・信頼ランキングをが作れるんじゃないかと。
 
ちなみに、うちの場合。
赤ちゃんにマネされているのは第一子(お姉ちゃん)でした・・・・
私じゃなくて残念。
私は幼児に負けています。
赤ちゃんから見れば、幼児は有能で信頼できるということでしょう。実際、赤ちゃんにとって幼児は自分に近いので、いろいろと参考になるし役に立ちます。子どもは年長の子どもをマネるということですね。実は

文化がヒトを進化させたにも、そう書いてありました。

では、仕切り直し。
子どもにとって有能で信頼できる大人とはどんな人でしょうか?
乳幼児や子どもが、どうやって有能で信頼できる人を見つけるか?その一つの方法が、注目度で判断する、ということです。
注目されている大人
が有能で信頼できると判断されるのです。
文化がヒトを進化させたには、就学前の幼児たちにビデオを見せて、ビデオに映っている誰のマネをするかを調べた実験の結果が紹介されています。
ビデオには、食べたり飲んだり、オモチャで遊んだりしている二人のモデルが映っているのですが、途中で二人の見物人が現れて、両方のモデルに目をやってから、一方のモデルだけを注目します。
このビデオを見た後、子ども達にオモチャや食べ物、飲み物を選ばせるという実験です。その結果を本から引用します。
オモチャの遊び方については、見物人に注目されたモデル(プレスティージの高そうなモデル)をまねることのほうが一三倍多かった。また、食べ物や飲み物についても、注目されたモデルと同じものを選ぶことのほうが四倍ほど多かった。実験の最後に尋ねてみたところ、子どもたち自身には、注目度を手がかりに手本を選んでいるという意識はまったくなかった。
つまり、
注目される大人= お手本
ということです。
これ、子どもだけでなく、大人の場合も同じです。注目度の高い人をマネする傾向がある、しかも無意識的にです。
どうやら、良い人に注目すると世界も良くなるっぽいです。注目度が高くなると、無意識的に良い人のマネをする人が増えて、結果として良い世界になる、ということですから。
 
最後に一言。文化がヒトを進化させたは幼児教育の本ではなく、人類進化と文化に関する本です。ハーバード大学教授による読みごたえがある本で、内容も面白いので、お勧めです。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
 
 
 

ダメなお手本で学習するとチンパンジー以下の子に育つ!?文化がヒトを進化させた

幼児教育で伸ばしたい能力っていろいろありますよね?例えば
空間認知、量概念、因果関係に関する能力
など、これらの能力をアップしたら、賢い子に育ちそうですよね。しかし、ちょっと違うのです。
ハーバード大学人類進化生物学教授
のジョセフ・ヘンリックの著書
文化がヒトを進化させた―人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉

によると、空間認知、量概念、因果関係に関する能力は、ヒトとチンパンジーで大差ありません。チンパンジーよりもずば抜けて優れているのは

社会的学習に関する能力
です。社会的学習とは、他者の影響を受けながら学習すること。例えば、周りの人を参考にしたり、人まねすることです。この「人まねする能力」が重要なのです。本から引用します。
幼児と二種類の類人猿を比較した場合に、幼児がずば抜けているのは社会的学習に関する能力だけで、空間認知、量概念、因果関係に関する能力はほぼ同等であることがわかる。
これ、幼児だけではないのです。大人も同様です。個体の能力で比較すると、ヒトはチンパンジーと比べ賢いとはいえません。ただ、「人まねする能力」で先人達の築いてきた「文化」を何千年も継承し続けた結果、チンパンジーよりも賢くなっているのです。ですので
「人まねする能力」≒ 社会的学習に関する能力
が重要なのです。
ところで、「人まねする能力」が高い子どもは賢い大人に育ちそうですが、ダメなことまでまねてしまうと困りますよね。このことについて気になることが本に書いてありましたので引用します。
手本を示すときに、「余計」なことや「無駄」なことも含めておくと、ヒトよりもチンパンジーのほうが優れた社会的学習をする。ヒトは無駄なことや不必要なことまでまねてしまうのに対し、チンパンジーはそれをきちんと無視するからである。
つまり
ダメなお手本で学習すると子どもはチンパンジー以下になるかもしれない!?
ということです。
もともと空間認知、量概念、因果関係に関する能力はチンパンジーと大差ありません。しかし、「人まねする能力(社会的学習に関する能力)」を使ってチンパンジーより圧倒的に賢くなる。だからこそ、幼児学習の際には「良いお手本」が必要ってことですね。子育ての際に注意しないといけないなぁ、と思いました。
 
最後に一言。文化がヒトを進化させたは幼児教育の本ではなく、人類進化と文化に関する本です。ハーバード大学教授による読みごたえがある本で、内容も面白いので、お勧めです。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
 
 
 
 

みんなで食事ができました:食事はオペレーションズリサーチ

うちの子は幼児と赤ちゃんの二人の女の子。二人はとっても仲良しで、一緒に遊んだり、喧嘩したりして毎日大騒ぎしてます。楽しいことは食べること。食事中も大騒ぎです。
にぎやかなのはいいのですが、子どもと一緒に食事するのって難しいですよね。私、幼児、赤ちゃんの3人で食事する場合、子どもが食べ終わるまで子どものお手伝いをしないといけません。ですので、私は一緒に食事できないのです。子ども達が「ごちそうさま」した後に、一人で食べています。そんなとき思うんです。
どうやったら3人同時に食べられるのかなぁ?
って。でも、先日、成功しました。3人同時に食べることに成功したのです。いやぁ、嬉しかった。っていうか、なんか、気持ちが良かったです。いつもは子どもを食べさせるのに精一杯で、食べさせ終わっても子どもが遊び始めて、大騒ぎで、ゆっくりと食事できなかったから。3人同時に楽しく食事できると気持ちが良いです。なんだか達成感があります。
ところで、どうやったら3人同時に食べれたか、といいますと、
食べる順番を工夫
したのです。大雑把に言うとこんな感じです。まず、子どものメニューを、子どもが自分で食べてくれるか、私の手助けが必要であるかの観点で2つに分けます。
  • 基本メニュー:大人の手助け必要
  • お楽しみメニュー:子どもが自分で食べれる
栄養重視で食べて欲しいものは基本メニューに入れておきます。自分で食べれない場合は私が手助けしてでも食べさせます。子どもの好物はお楽しみメニューに入れておきます。放っておいても食べてくれるものです。
食事の手順ですが、少し工夫が必要です。ポイントは、
食事の開始時間をずらす。食事の中頃に休息を入れる
ということ。具体的にはこんな感じです。
例1:子どもと同時に食事(成功例)
  1. 前半
    赤ちゃんは基本メニュー。幼児はお休み。私は赤ちゃんの手伝い。
  2. 中盤
    赤ちゃんはお休み。幼児は基本メニュー。私は幼児の手伝い。
  3. 後半
    赤ちゃんと幼児はお楽しみメニュー。私も食事。(3人同時に食事)
このようにすると3人同時に食事できますよね。では、もし、開始時期をずらさないとどうなるのか?以前の私は次のようでした。
例2:(子どもが食べ終わった後に、一人で食事。失敗例)
  1. 前半
    赤ちゃんは基本メニュー。幼児はお楽しみメニュー。私は赤ちゃんの手伝い。
  2. 中盤
    赤ちゃんはお楽しみメニュー。幼児は基本メニュー。私は幼児の手伝い。
  3. 後半
    赤ちゃんと幼児は食事終了で大騒ぎ。私はゆっくり食事できない。(1人で食事)
どうでしょうか?
以前の私は例2のように、子ども達に早く食べさせようと頑張った結果、逆に、ゆっくりと食事ができませんでした。しかし、例1のように食事の前半、中盤に子供たちに食べるのをお休みさせれば、3人同時に食事ができたのです。
ポイントは
食事の開始時間をずらしたり、中盤に休息時間を入れることにより、最後に3人同時に食べられるように調整する、
ということです。
 
ところで、応用数学の一種に「オペレーションズリサーチ」と呼ばれるジャンルがあります。最適な「やり方を考える」数学のジャンルと思ってください。私は楽しく食事をする為に最適な作戦(オペレーション)を考え検証(リサーチ)してみました。私の食事の際の工夫も、「オペレーションズリサーチ」の一種と言えるでしょう。他にも、子育ての際に、「やり方を考える」ことにより楽になったり、楽しくなったりすることがあるかもしれません。もし、何か見つけましたら、また記事を書こうと思います。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
 

幸福の測定

最近見た本
に幸福についての統計的な調査結果が載っていました。例えば、幸福な地域がどこか、都道府県や市区町村に分けて数値でわかるように記載されています。
ちなみに
主観的幸福度が一番高い都道府県は沖縄
です。沖縄の人は
  • スキルアップ(勉強、資格取得等)
  • 倹約(必要なものだけに支出)
を意識してる人が多く、都道府県別のアンケート結果でもスキルアップや倹約は1位となっています。堅実な性格が幸福度につながるということでしょうか。
 どこに住んだら幸福度が高いのか、そして、どのような性格や環境等が幸福に関係するのかが統計的にまとめられており、参考になります。他にも収入や労働時間等と幸福の関係も記載されています。興味のある方は幸福の測定を読んでみると面白いですよ。
 
ところで、経済的に裕福な方が幸福になりやすいでしょうか?この本によると、
経済発展が幸福度上昇に結びついているとは言えない
そうです。このことをイースタリンパラドックス(幸福度パラドックス)と言います。なぜそうなるのか?その理由を本書から引用します。
幸福度は所得、平均余命などと正の相関関係があるが、他方で労働時間、環境悪化などと負の相関関係にあり、こうした負の相関関係にあるものの寄与が所得より大きくなる傾向がある
わかりやすく言うと、金持ちほど幸福になりやすいけど、金のために労働しすぎると逆に不幸になりやすい、ということです。ワークライフバランスが重要、ということですね。

幸福の測定には幸福に関する色々なデータが書いてありますので、興味がある方は読んでみると面白いですよ。

 
話は少し変わりますが、この本は統計データをまとめた本ですので、統計用語が出てきます。先ほど引用した文章中の、「正の相関関係」「負の相関関係」「寄与」は統計の用語です。用語の意味を大雑把に解説すると
  • xはyと正の相関関係がある
    意味:xが増えるとyも増える傾向がある、ということ。
  • xはyと負の相関関係がある
    意味:xが増えるとyは減る傾向がある、ということ。
  • (ある事柄に対する)xの寄与がyより大きくなる傾向がある
    意味:(ある事柄に対する影響力が)xよりもyの方が大きい、ということ。
大量の統計データを分析する方法の一つに多変量解析と呼ばれるものがあります。「寄与」は多変量解析の分野で「寄与率」と呼ばれているものでしょう。本書のような統計データを紹介する本には「寄与率」は良く出てきます。例えば、ベストセラーになった

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

でもIQと遺伝・環境の関係を「寄与率」を使って解説しています。IQに対して遺伝の寄与率が△%で環境の寄与率が□%だから、遺伝の影響が大きい、といった感じです(正確な%については言ってはいけないに書いてあります)。このように寄与率は便利な概念ですが、その概念を正確に理解するのはちょっと難しいので、時間があれば解説記事を書いてみたいと思います。

 
最後まで読んでくれてありがとうございます。