くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

子どものお手本になる大人に注目しよう。文化がヒトを進化させたの感想その2

うちの子、赤ちゃんと幼児の2人の女の子。姉と妹でいつも仲良く遊んでるんですけど、下の子(妹)ってすごいですね。何がすごいって、自己主張!上の子(姉)が遊んでいるものを何でも欲しがり、奪い取ろうとして大騒ぎ。赤ちゃんなのに、何でもしたがる、マネしたがる。非常にグレッシブです。年下の子は年上の子の真似をしたがる、ということはよく聞きますので、まぁ、順調に育っているということでしょう。
 
という本を最近読んでいます。

文化がヒトを進化させた

赤ちゃんは有能で信頼できる人のまねをする

って書いてありました。本から引用します。
乳幼児や子どもは、よく見知っている相手で、なおかつ、有能で信頼できる人のまねをすることが明らかになっている。それどころか、満一歳のときにはもう、自分なりの知識を生かして物事を知っていそうな人物を選び、その技能に関する情報をもとに注意を向け、学習し、記憶していく。
つまり、乳幼児の段階で、
良く見知っている相手=家族
の中から、
有能で信頼できる人
を見抜いて、その人のマネをしているということです。
ここを読んで私は思ったのですが、
赤ちゃんにマネされているかどうかを基準に、家族内で有能・信頼ランキングをが作れるんじゃないかと。
 
ちなみに、うちの場合。
赤ちゃんにマネされているのは第一子(お姉ちゃん)でした・・・・
私じゃなくて残念。
私は幼児に負けています。
赤ちゃんから見れば、幼児は有能で信頼できるということでしょう。実際、赤ちゃんにとって幼児は自分に近いので、いろいろと参考になるし役に立ちます。子どもは年長の子どもをマネるということですね。実は

文化がヒトを進化させたにも、そう書いてありました。

では、仕切り直し。
子どもにとって有能で信頼できる大人とはどんな人でしょうか?
乳幼児や子どもが、どうやって有能で信頼できる人を見つけるか?その一つの方法が、注目度で判断する、ということです。
注目されている大人
が有能で信頼できると判断されるのです。
文化がヒトを進化させたには、就学前の幼児たちにビデオを見せて、ビデオに映っている誰のマネをするかを調べた実験の結果が紹介されています。
ビデオには、食べたり飲んだり、オモチャで遊んだりしている二人のモデルが映っているのですが、途中で二人の見物人が現れて、両方のモデルに目をやってから、一方のモデルだけを注目します。
このビデオを見た後、子ども達にオモチャや食べ物、飲み物を選ばせるという実験です。その結果を本から引用します。
オモチャの遊び方については、見物人に注目されたモデル(プレスティージの高そうなモデル)をまねることのほうが一三倍多かった。また、食べ物や飲み物についても、注目されたモデルと同じものを選ぶことのほうが四倍ほど多かった。実験の最後に尋ねてみたところ、子どもたち自身には、注目度を手がかりに手本を選んでいるという意識はまったくなかった。
つまり、
注目される大人= お手本
ということです。
これ、子どもだけでなく、大人の場合も同じです。注目度の高い人をマネする傾向がある、しかも無意識的にです。
どうやら、良い人に注目すると世界も良くなるっぽいです。注目度が高くなると、無意識的に良い人のマネをする人が増えて、結果として良い世界になる、ということですから。
 
最後に一言。文化がヒトを進化させたは幼児教育の本ではなく、人類進化と文化に関する本です。ハーバード大学教授による読みごたえがある本で、内容も面白いので、お勧めです。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。