1 = 0.999…の件、その8(位相に着目)
- 1 と 0.999… は近い数だけど異なる。
- 1 と 0.999… は全く異なる。
1 と 0.999… は近い数だけど異なる。
1 と 0.999…は、ほぼ同じだけど、0.999…の方が若干小さい、と直感的に感じる方も多いと思います。これは、近い遠いの基準(位相)が細かくて、小さな違いが見分けられる、ということです。通常よりも小さな違いを見分けられる、ということですので、なんの問題もありません。しかし、大抵の場合は、小さな違いは重要ではないので、1 と 0.999…を同一視して
1 = 0.999…
が成り立つ、とした方がシンプルになります。
1 と 0.999… は全く異なる。
1 と 0.999…が、ほぼ同じどころか、全く違う数に感じる、という状況です。これは、近い遠いの基準(位相)が通常と異なっているので、1 と 0.999…が近い数だと思えない、ということです。これは難しいので、一言で言い表せません。ただ、重要なのは、
1 と 0.999… が全く異なっても数学的に問題はない、ということです。
近い、を、似てる、と言い換えたほうが分かりやすいかもしれません。
- 2と3は似ている。2と128は似ていない
- 2と128は偶数だから似ている。2と3は偶数と奇数だから似ていない。
1=0.999…の件、その7 (数列の極限?)
- サメとイルカは近い。サメとタツノオトシゴは遠い
- サメとタツノオトシゴは近い。サメとイルカは遠い
1=0.999…の件、その6
有理数 q は、常に一定値 q を値にとる数列 (q, q, q, …) と同一視して、有理数全体の成す集合 Q は、有理コーシー数列全体の集合 X に含まれるものと見なす。また、コーシー列に、項同士の四則演算をもとに四則演算を定義することができ、これは有理数同士の四則演算と両立している。特に、X は (0, 0, 0, …) を零元、(1, 1, 1, …) を単位元とする環である。ここで、(xn) − (ym) が 0 に収束するという関係 ∼ は同値関係になる。この同値関係 ∼ で割った[注 3]商環 X/∼ は、同型の違いを除いて一意的に決まる。この X/∼ を R と書き、実数体とよぶ。