くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

2022-01-01から1年間の記事一覧

幼児教育と数学(その1)順序数とペアノの公理

幼児教育では 順序数 集合数 が理解できれば数の概念が身についた、ってことになるそうです。 「順序数」は、順序を表す数のこと。 順番のことですね。 これが1番目、これが2番目、これが3番目、… と順番が分かれば、順序数が理解できていることになります。…

1 = 0.999…の件、その8(位相に着目)

1=0.999… (9は無限に並ぶ) って本当? 1>0.999… でしょ? という質問に対する答えは難しい。 0.999... - Wikipedia によると 等式 0.999… = 1 は数学者に長く受け入れられ、一般の算数・数学教育の一部であったにも拘らず、これを十分直観に反するものと見…

1=0.999…の件、その7 (数列の極限?)

0.999…を数列 0.9 0.99 0.999 … の極限と考えれば 1=0.999… が証明できるという話があります。 定理: 1=0.999… 数列の極限とみなす証明: 0.999…を数列と見なす。 0.999…は1に近づくので 0.999…=1 □ この証明には、1つ気になる点があります。それは、 0.999…

1=0.999…の件、その6

1=0.999… (9は無限に並ぶ) って本当? 1>0.999… でしょ? という質問に対する答えは難しい。 0.999... - Wikipedia によると 等式 0.999… = 1 は数学者に長く受け入れられ、一般の算数・数学教育の一部であったにも拘らず、これを十分直観に反するものと見…

1=0.999…の件、その5(−1 = …999 の件)

1=0.999… (9は無限に並ぶ) って本当? 1>0.999… でしょ? という質問に対する答えは難しい。 0.999... - Wikipedia によると 等式 0.999… = 1 は数学者に長く受け入れられ、一般の算数・数学教育の一部であったにも拘らず、これを十分直観に反するものと見…

1=0.999…の件、その4

1=0.999… (9は無限に並ぶ) って本当? 1>0.999… でしょ? という質問に対する答えは難しい。 0.999... - Wikipedia によると 等式 0.999… = 1 は数学者に長く受け入れられ、一般の算数・数学教育の一部であったにも拘らず、これを十分直観に反するものと見…

1=0.999…の件、その3(1÷1 を計算すれば証明できる)

1=0.999 の証明なんですけど、分数を使った証明は、まだるっこいです。 1÷3=0.333… を3倍して 1=0.999… のように、3で割って3をかける、とか 1÷9=0.111… を9倍して 1=0.999… のように、9で割って9をかける、とか、「同じ数を割ってかける」と、2回も計算して…

1=0.999…の件、その2(1/3 を3倍して証明できる?)

1=0.999… (9は無限に並ぶ) って本当? 1>0.999… でしょ? という質問に対する答えは難しい。wikipediaによると 等式 0.999… = 1 は数学者に長く受け入れられ、一般の算数・数学教育の一部であったにも拘らず、これを十分直観に反するものと見なして、疑念…

1=0.999…の件、その1

1=0.999… (9は無限に並ぶ) は何で? 1>0.999… でしょ? という質問は意外と難しいです。詳しくは wikipedia ja.m.wikipedia.org にまとまっていますが、結構、分かりづらいです。全部読むのは大変ですけど、重要な所はここです。 標準的な解釈の下で式 0.9…

測定誤差が気になるとき何回測定し直すか?掛け算をたった1回すれば回数の目安が付きます。

測定には誤差がつきものです。 1回の測定の誤差が大きくても、複数回の測定して、その結果を平均すると、誤差は小さくなります。 逆に、誤差を小さくするには、複数回の測定して、その結果を平均すれば良いです。 測定する回数の目安ですが、 誤差をk分の1…

1+1は2ではない。測定誤差の足し算(その3)

前回↓の続きです。 www.kumonoshu.com 前回の復習: 普通の足し算 同じものをn回足すとn倍になります。 誤差の足し算 n回足すと√n倍になります。 誤差がeの場合、足し算は e+e=√2×e e+e+e=√3×e e+e+e+e=√4×e ・・・ のように、誤差 e を n回足すと √n×e にな…

測定誤差の足し算(その2)

前回↓の続き www.kumonoshu.com 前回の復習: 普通の足し算 同じものをn回足すとn倍になります。 誤差の足し算 n回足すと√n倍になります。 誤差がeの場合、足し算は e+e=√2×e e+e+e=√3×e e+e+e+e=√4×e ・・・ のように、誤差 e を n回足すと √n×e になる、と…

測定誤差の足し算。(分散を使わないで解説)

測定には誤差がつきものです。何を測定しても、誤差が発生するので、真の値は 測定値±誤差 という形になります。例えば、体重を測定した結果が50kgでも、実際の体重は 50±誤差 になります。誤差が 0.1kg 程度とすると 50±0.1kg より、体重は 49.9~50.1 kg …

プロレスと量子力学

前回 www.kumonoshu.com で、プロレスのタッグの実力を測る式を導出しました。要約すると次の通りです。 プロレスラーA、Bのシングルの力を、それぞれ、a,b と書く。AがBをサポートする力を a×b と表す。プロレスラーのタッグの力 a+b を a+b:=a×b+b×a で定…

実力の定義「オレたちは1+1で200だ10倍だぞ10倍」を求める式

過去記事 www.kumonoshu.com のまとめと続きを書きます。 プロレスラーA、Bのシングルの力を、それぞれ、a,b と書く。AがBをサポートする力を a×b と表す。プロレスラーのタッグの力を次で定義する。 定義:プロレスラーA,B のタッグの力は a+b:=a×b+b×a で…

「オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」の証明

プロレスラーの天山・小島(タッグ名テンコジ)の名言が正しいことを証明します。 定理:(天山、小島) 1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍。 証明: プロレスラーA、Bのシングルの実力を、それぞれ、a,bと置き、タッグの実力を a+b …

自明な群を用いて、「1+1は2じゃないぞ。オレたちは1+1で200だ。10倍だぞ10倍」を分析してみた。

普通の数(自然数)の足し算は、 1+1=2 1+2=3 2+2=4 ・・・ であり、例えば、ミカンの個数を足したらいくつになるのか計算する際に使えます。 自明な群とは、簡単にいうと、すべての数が0と等しいという状況。 0=1=2=3=・・・ が成…

全員合格するテストの配点と採点基準の例

問題数が5個のテストの場合。 通常のテストの配点と合格基準の例 問題数は5個。 各問20点。 100点満点。 60点以上を合格とする。 全員合格するテストの配点と合格基準の例 問題数は5個。 各問0点。 0点満点。 0点以上を合格とする。 計算例。 A君のテスト結…

テストがダメでも全員救済する場合、テストの得点は自明な群です。

の続きです。 100点満点のテストの場合、60点が合格ラインであることが多いです。 60〜100点は合格。 0〜59点は不合格。 という基準です。 もし、仮に、テストが出来なくて素点が低い人を、救済して合格にするとしましょう。私の場合、こんな気分になります…

定期試験が出来ないから救済してほしい学生の話

とある大学の定期試験の話です。 その時、私は試験官をしていたのですが、テストを回収して帰ろうとしたときに、一人の学生が私を呼び止めて、こう言いました。 「僕は不合格だと思いますので救済してください」 この学生の心情は分かります。相当、テストが…

粘土の個数が1+1=1であることを証明してみました。

過去記事、「粘土の場合、1+1=1 となる、という発想は自明な群の話です」をまとめると、次の定理になります。 エジソン少年の定理: 1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるので 1+1=1 証明: 1つの粘土は2つにちぎることができ…

粘土の場合、1+1=1 となる、という発想は自明な群の話です。

過去記事 の続きです。 小学生(子供時代のエジソン)に 先生〜、1つの粘土と1つの粘土を足したら1つの大きな粘土になるから、1+1は1だよね。 と質問されたら、先生はどう答えるとよいのか、考えてみよう、という話の続きです では、続きを書きます。 私が…

子どもの頃のエジソンは1+1=2が分からない劣等生という問題

教育の話なんですけど、 子どもの頃は劣等生だったけど、大人になったら天才になった、 って話、ありますよね。 例えば、発明王のエジソンとか。 エジソンは小学生の時 1+1=2 に疑問を持って、 なんで1+1は2なの? と先生に質問したの。そしたら、 …

The Intelligence Trap なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか?という本の感想

The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか という本、結構面白いです。この本、 賢い人でも愚か ではなく、 賢い人ほど愚か という内容で、 賢い人 ≒ IQが高く知識や経験も豊富な人 が陥る愚かさの実例が…

子どものお手本になる大人に注目しよう。文化がヒトを進化させたの感想その2

うちの子、赤ちゃんと幼児の2人の女の子。姉と妹でいつも仲良く遊んでるんですけど、下の子(妹)ってすごいですね。何がすごいって、自己主張!上の子(姉)が遊んでいるものを何でも欲しがり、奪い取ろうとして大騒ぎ。赤ちゃんなのに、何でもしたがる、…

ダメなお手本で学習するとチンパンジー以下の子に育つ!?文化がヒトを進化させた

幼児教育で伸ばしたい能力っていろいろありますよね?例えば 空間認知、量概念、因果関係に関する能力 など、これらの能力をアップしたら、賢い子に育ちそうですよね。しかし、ちょっと違うのです。 ハーバード大学人類進化生物学教授 のジョセフ・ヘンリッ…

みんなで食事ができました:食事はオペレーションズリサーチ

うちの子は幼児と赤ちゃんの二人の女の子。二人はとっても仲良しで、一緒に遊んだり、喧嘩したりして毎日大騒ぎしてます。楽しいことは食べること。食事中も大騒ぎです。 にぎやかなのはいいのですが、子どもと一緒に食事するのって難しいですよね。私、幼児…

幸福の測定

最近見た本 幸福の測定―ウェルビーイングを理解する に幸福についての統計的な調査結果が載っていました。例えば、幸福な地域がどこか、都道府県や市区町村に分けて数値でわかるように記載されています。 ちなみに 主観的幸福度が一番高い都道府県は沖縄 で…

幼児に数を教える難しさ。同値類と反射律について。

うちの子、数を数えたり、数字を書いたりできるんですけど、ふと、思ったんです。 幼児にとっての数とは何だろう? 数は意外と難しい概念です。例えば 1=1 は当たり前ですよね。でも、1って何でしょうか? 例えば、1つのリンゴは「1」。1つのブドウも…

ドラゴン桜2を読んでみて、書いてみたんですけど・・・・「脳の配線と才能の偏り」について

みなさん。 ドラゴン桜 ってご存知ですか? 知ってる方も多いでしょう。大人気漫画で、ドラマ化もされてます。 知らない方のために内容を要約すると 東大合格は簡単だ! って話。 偏差値30台でも東大合格できる! って話。なんだか、気になりますよね。面…