最近見た本
に幸福についての統計的な調査結果が載っていました。例えば、幸福な地域がどこか、都道府県や市区町村に分けて数値でわかるように記載されています。
ちなみに
主観的幸福度が一番高い都道府県は沖縄
です。沖縄の人は
- スキルアップ(勉強、資格取得等)
- 倹約(必要なものだけに支出)
どこに住んだら幸福度が高いのか、そして、どのような性格や環境等が幸福に関係するのかが統計的にまとめられており、参考になります。他にも収入や労働時間等と幸福の関係も記載されています。興味のある方は幸福の測定を読んでみると面白いですよ。
ところで、経済的に裕福な方が幸福になりやすいでしょうか?この本によると、
経済発展が幸福度上昇に結びついているとは言えない
幸福度は所得、平均余命などと正の相関関係があるが、他方で労働時間、環境悪化などと負の相関関係にあり、こうした負の相関関係にあるものの寄与が所得より大きくなる傾向がある
わかりやすく言うと、金持ちほど幸福になりやすいけど、金のために労働しすぎると逆に不幸になりやすい、ということです。ワークライフバランスが重要、ということですね。
幸福の測定には幸福に関する色々なデータが書いてありますので、興味がある方は読んでみると面白いですよ。
話は少し変わりますが、この本は統計データをまとめた本ですので、統計用語が出てきます。先ほど引用した文章中の、「正の相関関係」「負の相関関係」「寄与」は統計の用語です。用語の意味を大雑把に解説すると
- xはyと正の相関関係がある
意味:xが増えるとyも増える傾向がある、ということ。 - xはyと負の相関関係がある
意味:xが増えるとyは減る傾向がある、ということ。 - (ある事柄に対する)xの寄与がyより大きくなる傾向がある
意味:(ある事柄に対する影響力が)xよりもyの方が大きい、ということ。
大量の統計データを分析する方法の一つに多変量解析と呼ばれるものがあります。「寄与」は多変量解析の分野で「寄与率」と呼ばれているものでしょう。本書のような統計データを紹介する本には「寄与率」は良く出てきます。例えば、ベストセラーになった
でもIQと遺伝・環境の関係を「寄与率」を使って解説しています。IQに対して遺伝の寄与率が△%で環境の寄与率が□%だから、遺伝の影響が大きい、といった感じです(正確な%については言ってはいけないに書いてあります)。このように寄与率は便利な概念ですが、その概念を正確に理解するのはちょっと難しいので、時間があれば解説記事を書いてみたいと思います。
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