の続きです。
100点満点のテストの場合、60点が合格ラインであることが多いです。
60〜100点は合格。
0〜59点は不合格。
という基準です。
もし、仮に、テストが出来なくて素点が低い人を、救済して合格にするとしましょう。私の場合、こんな気分になります。
60〜100点で合格。これは普通。
50点代でも合格。救済でありそう。
0〜49点でも合格。ここは悩む。
ところで、前回書きましたが、テストを採点する前に、「テストできなかったので、救済してください」と頼んできた学生がいました。
採点前ですから、その学生の得点が分からず、どのように対応すればよいか、難しかったです。もし、この段階で「救済する」と伝えたとすると、素点0点でも救済ということにもなりかねません。つまり、テストを受けた人、全員を救済(合格=単位出す)ということです。
ところで、全員合格とは、
0〜100点を同じ扱いにするということです。これは、全員を0点扱いすること、
0点=1点=2点=...=100点
ということです。
仮に、合否のみが重要で、成績の違いを気にしないとすると、
全員救済するテストの得点は、全員0点で構いません。というのも、合格点を0点にすれば、全員合格するからです。
何問正解しても0点とすれば、0点以外に得点はなくなります。そして
0+0=0
以外に足し算がない、ということになります。
これは粘土の個数の話と似ています。
ギュッと握ると複数の粘土も1個になるので、粘土の個数は1個しかありません。そして、1つの粘土と1つの粘土を足すと1つの大きい粘土になるので、
1+1=1
以外に足し算はありません。
得点の場合は0、粘土の場合は1と、表記の違いはありますが、数学的な構造は同じです。
数がaしかないので、足し算も
a+a=a
しかない、という構造です。
これを、数学では、自明な群と呼びます。
全員を救済すると、テストの得点は粘土の個数と同じ構造(自明な群)になる、という話です。
読んでくれてありがとうございます。
過去記事に粘度の個数の話があります。例えば↓
読んでくれたら嬉しいです。