「自立歩行反射」ってご存知ですか?
新生児を立たせると、歩くときのように足を左右交互に踏み出すんですけど、
これを自立歩行反射っていいます。
歩けないのに歩こうとする。かわいいですよね。でもこの反射、生後2ヶ月ぐらいになると消滅してしまいます。
残念ですよね。
でも、大丈夫。
赤ちゃんが歩き始める頃になると、自立歩行反射は復活します。
不思議ですね。
一旦消えた反射が、必要な時にまた再開されるんです。どういう仕組みなんでしょうか?
この自立歩行反射の謎について、
で、2つの方法で分析した結果が紹介されています。
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たくさんの赤ちゃんのデータの平均値を求めて、その平均値について比較検討した。その結果、原因は「脳」であった。
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個々の赤ちゃんのデータを分析して、その分析結果を集計したもので判断した。その結果、原因は「身体のバランス」であった。
ちょっと分かり辛いですね。
もう少し分かりやすく書きます。
1について:
たくさんの赤ちゃんを集めてデータをとって、その結果を平均します。
具体的に言うと、自立歩行反射が発生・消滅する平均月齢を求めて、
それと同時期に赤ちゃんにどのような変化が起こるかを調べたそうです。
それにより、ある神経プロセスが自力歩行反射の始まりや消滅と一致している可能性が発見されました。
脳の神経発達によって自立歩行反射が始まり、一旦消滅し、また再開される、という説です。
要約すると原因は「脳」にある、という考え方です。
2について:
毎日、赤ちゃんを写真撮影し、体の発育具合を調べたり、
赤ちゃんを様々なポジションでトレッドミル(ルームランナーみたいなもの)に乗せて、身体の動きを分析しました。
その結果、
筋肉の強度と体脂肪率の量のバランスにより、自立歩行反射が起こったり起こらなかったりすることが発見されました。
要約すると原因は「身体のバランス」にある、という考え方です。
さて、いま、2つの結果が得られました。
どちらが正しいでしょうか?
1の方法はたくさんの赤ちゃんを調べています。2の方法は数十人の赤ちゃんを調べた結果です。調べた人数だけなら1の方がたくさん調べているので信憑性がありそうです。でも、正しいのは2の方だったのです。
1の方法ではたくさんの赤ちゃんのデータを平均しています。
この「平均をする」ということにより、重要な情報が失われてしまった、
ということなんです。
というわけで、平均思考で考えると間違っちゃうことがあります、ってことが「平均思考は捨てなさい」って本に書いてありました。