平均思考は捨てなさい 番外編:書き間違い?誤訳?私の勘違い?

「平均思考は捨てなさい」を読んでいて、

 あれ?って思う箇所がありました。

 
「平均思考は捨てなさい」の14ページより抜粋
 
そして、4063人のパイロットから集めた大量のデータを使い、コックピットのデザインに最もふさわしいと思われる平均的な寸法を身長、胸周り、腕の長さなど、10カ所について計算した。そのうえで、この「平均的なパイロット」の身体のサイズとの誤差が30パーセント以内ならば、おおむね平均に該当するものと見なした。たとえば、データから割り出された平均身長は175センチメートルだったので、「平均的なパイロット」の身長は170センチメートルから180センチメートルの範囲になる。
 
この文章、私はなんだか違和感を感じました。違和感を感じた部分はここ:
 
「平均的なパイロット」の身体のサイズとの誤差が30パーセント以内ならば、おおむね平均に該当する
 
誤差が30%以内ってどういう意味なんでしょうか?
 
 誤差 ≦「何かの30%」
 
のとき「おおむね平均」に該当する、ってことっぽいですけど、
何の30%なんでしょうか?
ひょっとして、平均的なパイロットの身体サイズの30%でしょうか?
もしそうなら、とても違和感を感じます。
なぜ、違和感を感じるのか。その理由をこれから書いてみます:
 
 誤差 ≦ 「平均身長の30%」
 
のとき「おおむね平均」に該当する、という意味だと仮定する。
このとき、
 
  平均身長 ± 平均身長×0.3
 
が、おおむね平均の人の身長の範囲になる。データより割り出された平均身長は
 
平均身長=175cm
 
であるので、175cmの30%
 
 175×0.3=52.5 cm
 
が許容される誤差の大きさ。
 
 175-52.5=122.5
 175+52.5=227.5
 
より、おおむね平均なパイロットの身長は122.5cmから227.5cmになる。
 
・・・・明らかに変です。実際はどうなんでしょうか?
 
 
この本の292ページに参考文献が載っていました。
元ネタはこれっぽいです。
 
9. Gilbert S. Daniels, The "Average Man"?
この文献を見てみたら「おおむね平均」の範囲の定義はこんな感じでした。
 
The exact method of deriving this range is discussed in detail in the Appendix but for our immediate purpose It is sufficient to state that includes approximately the middle 30% of the total population.
 
どうやら、
 
「おおむね平均」とは、真ん中辺りの約30%の人のこと、
 
と考えてよいようです。
30%っていうのは誤差の割合ではなく、人数の割合ということなんですね・・・・
理解できました。
 
ところで、より正確な定義は付録 (Appendix) に書いてあります。これはちょっと分かり辛いけど、こんな感じです。
 
For the present purpose we have defined "average" wore liberally to include all Individuals who fall within a range of plus or minus three-tenths of a standard deviation of the mean value*
 
どうやら、「おおむね平均」の範囲は
 
  平均 ± 標準偏差×0.3
 
のようです。
 
標準偏差については過去記事を見てください。
 
 今回紹介した本はこちら ↓
平均思考は捨てなさい

平均思考は捨てなさい