著者は医者で脳の特異性を研究しているゲイル・サルツ。著者の弟はノーベル物理学賞受賞者のアダム・リースです。
本書には創造性と関わりが深い「脳の特異性」の「7つの特徴」が記載されています。著者の言葉を引用すると
私が選んだのは、7つの特徴の集合体だ。この7つの特徴は、脳の特異性を持つ人々の大部分をカバーするものであり、創造性とのかかわりも深い。
脳の特異性とは何かというと、大雑把に言うと「精神疾患」。ネガティブな印象を持たれがちな「精神疾患」ですが、それに伴って特別な長所や能力が発揮されることがあります。もちろん、症状が重いときは障害になります。しかし、症状がなければ、平均以上の創造性が現れることはめったにないともいえるのです(この現象を「逆U字曲線」と呼びます)。例として、著者の言葉を引用します。
軽度から中程度の双極性障害の人は、まったく障害のない人や、反対に症状の重い人よりも創造的生産性を持っていることになる
ところで、どのような精神疾患がどのような長所をもっているか?気になりますよね。
そこで、創造性と関係がある「脳の特異性」の「7つの特徴」と「診断名」について。
特徴:一般的な診断名
の順に列記します。
- 学び方の特異性:読み書き障害(ディスレクシア)
- 注意力散漫:注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 不安:全般性不安障害、強迫性パーソナリティ障害、パニック障害、恐怖症
- 憂鬱:うつ病、気分変調症、不快気分
- 気分の浮き沈み:双極性障害
- 拡散的思考:シゾイドパーソナリティ障害、統合失調症、等号失調感情障害
- 関係性を持ちにくい:自閉症スペクトラム障害(ASD)
本書には、これらの特徴をもった人たちの成功例や、脳に関する研究成果が多数記載されています。
具体的にどういうことか、気になる方は
をご一読ください。
最後まで読んでくれてありがとうございました。