くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

1+1は2ではない。測定誤差の足し算(その3)

前回↓の続きです。

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前回の復習:
普通の足し算
同じものをn回足すとn倍になります。
誤差の足し算
n回足すと√n倍になります。
 
誤差がeの場合、足し算は
e+e=√2×e
e+e+e=√3×e
e+e+e+e=√4×e
・・・
のように、誤差 e を n回足すと √n×e になる、と覚えてください。
では、今回の話を始めます。
 
ところで、誤差が1の場合、 e=1より、足し算は
1+1=√2
1+1+1=√3
1+1+1+1=√4=2
となります。
 
このように、誤差の場合、1+1は2ではありません。2になるのは、1+1+1+1です。
 
1+1≠2
について解説します。
 

左辺:1+1は、2回測定して2回誤差が発生した状況に対応しています。

誤差(1回目)+誤差(2回目)
のように、2個の誤差を足しています。
 
右辺:2は、1回の測定で2倍の誤差が発生した状況に対応しています。1個の誤差が2倍の大きさになっている、ということです。
 
1+1≠2
とは、2個の誤差を足しても、1個の誤差を2倍したことにはならない、ということを意味しています。
 
一方、
1+1+1+1=2
は、4個の誤差を足すことと、1個の誤差を2倍することは同じ、ということを意味しています。
 
一見不思議に感じるかもしれませんが、確率論的には正しい話です。より正確に理解するには、正規分布標準偏差、独立同分布等についての知識が必要になります。
 

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しかし、実用的には

普通の足し算
同じものをn回足すとn倍になります。
誤差の足し算
n回足すと√n倍になります。
と覚えれば十分でしょう。
誤差がeの場合、足し算は
e+e=√2×e
e+e+e=√3×e
e+e+e+e=√4×e
・・・
のように、誤差 e を n回足すと √n×e になる、と覚えてください。
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。