くものしゅの日記

子育て中の ph. D.です。専門は確率統計.情報理論等

ドラえもんの「やめられん」ってクスリよりヤバい食べもの

今、Amazon プライムビデオでドラえもんが何話か視聴可能になっており、うちの子も喜んで見ています(2019年12月現在)
特に、
ジャイアンの歌がやめられない」
という話がお気に入りなんですけど、この話の道具が気になるのです。その道具の名前は
 
やめられん
 
という薬。これ飲むと中毒になる。
そんな薬。
やばいでしょ、この薬。
 
でも、もっとやばいのは、のび太のママがおせんべい中毒だってこと。そんな設定になってるんですよ。今のドラえもんって。
やばいでしょ、このおせんべい。
 
中毒と言えば、砂糖に中毒性があるみたいな話し、聞いたことあるけど、
せんべいも炭水化物の塊だから砂糖みたいなものだってこと?
 
まあなんにせよ、
食べ過ぎには気をつけた方がいいよね。
太っちゃうからね。
 
でも、のび太のママってやせてるの。
 
中毒になってやせるっていうのは、
結構やばいんじゃないの?
原材料に怪しいクスリとか入っていそう。
 
とまあ、ここまで書いてみて、思ったんですけど
違和感ありすぎですよね。
おせんべい中毒ってなんですの?
 
と思い、調べてみたら、実は原作では、
パパがタバコ中毒
という設定だったのです。それが
ママがおせんべい中毒
に変わっています。コンプライアンス的に
タバコはダメ
だから
おせんべい中毒
という話になったのでしょうか?
 
おかしな話です。
おせんべいだけに・・・・・・とまあ、それはさておき、この「やめられん」という薬が出てくる
 
ジャイアンの歌がやめられない」
というお話は、うちの子のお気に入りで、作中に出てくる掛け声
 
 
を真似して喜んでいます。まだ、うちの子はうまく発音できないから
 
じーじーじゃいあー
 
ってなり、なんだかかわいい。
ほんと、かわいいです。
かわいいんですけど、
 
じーじーじゃいあー
じーじーじゃいあー
じーじーじゃいあー
・・・・・・
 
って何度も繰り返して、って!ちょっと、中毒になってる?!
 
という訳で、
ジャイアンの歌がやめられない」
というお話自体にも中毒性があるのかも、なんて思ってしまいました。
 
 
以上、動画の見過ぎには注意しないといけない、という話でした。
 
読んでくれてありがとうございます。

 

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  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: アプリ
 

 

電子レンジが動かないときの対処法(マニュアルに書いて無かった方法)

電子レンジが動かないときの対処法
 
まずは、マニュアルを見て、レンジが作動しないときの対処法を試してください。直りましたか?
 
もしダメでも、あきらめないで。次の方法を試してみてください。
 
ドアを押さえながら、スタートボタンを押す。
 
これだけ。
 
ドアにすき間があると、レンジが作動しない場合があります。だから、
 
ドアを押さえながら、スタートボタンを押す。
 
これでレンジが動くことがあります。少なくとも我が家では、動かなかったレンジがこの方法で作動するようになりました。
 
 
この方法、我が家のスチームオーブンレンジ「ビストロ」が不調だったときに発見しました。

 

  

ビストロとは、電子レンジ、スチーム、オーブン等の機能がある便利な調理器具です。
 
多機能で便利だなー
 
って重宝していたんですが、先日、電子レンジだけが動かない、という症状が発生したのです。正直、悩みました。
 
電子レンジのためだけに買い換えるのは嫌だから。
 
スチームやオーブンは使えるから買い換えたくはないけど、レンジが使えない。どうしよー
 
って思ってたんです。我が家ではレンジが一番使う機能です。これがないと惣菜が温められなくて困ります。
 
そこで、いろいろと試行錯誤した結果、発見しました。
 
ドアを押さえながら、スタートボタンを押す。
 
これでレンジ機能、普通に使えるようになりました。惣菜も温かくておいしいです。
 
めでたし、めでたし。
 
 
以上、電子レンジが作動しないとき、修理や買い換えの前に試してみると良い方法について書いてみました。
 
読んで下さりありがとうございます。
 

電子レンジについての過去記事にこんなのがあります↓

www.kumonoshu.com

 

検定 その5:p値の意味と使い方。有意水準との違い

検定では
 帰無仮説対立仮説
 という2つの仮説があります。
 
得られている証拠をもとに、
いろいろな計算をして、
帰無仮説が棄却できるかどうかを判断します。
 
 帰無仮説が棄却できるかどうかを判断するために便利なものがあり、
それを「p値」といいます。
 
ここでp値の意味と使い方をまとめておきます。
今は読み飛ばしても良いです。
 
(ここから)
意味と使い方:
p値とは、
  • 仮に「帰無仮説が正しい」とき、「現実のデータと同じか、その値よりも対立仮説寄りなデータ」が得られる確率。
p値の使い方
  • p値が小さい ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説を採択する
  • p値が大きい ⇒ 帰無仮説を棄却できない
実際には有意水準 α と比較して判断する。
  • p値 < α ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説が採択される
  • p値 > α ⇒ 帰無仮説を棄却できない
(ここまで)
 
 
p値について理解するために、漢字検定を例に説明してみます。
 
例:ある人が漢字検定1級のテストを受験する場合。
1級の能力がない人でも、
ヤマが当たってラッキーで良い成績を取ることがありますよね。
 
そこで、「1級の能力がない人」が、
ある得点以上の成績になる確率について考えてみましょう。
(分かりやすくするためにテストは100点満点で考えるとします)
 
0点以上の成績になる確率は100%です。
逆に、100点満点になる確率は0%に近いでしょう。
まあ、なんとなくですけど
 
0点以上の確率は100%
10点以上の確率は高そう
80点以上の確率は低そう
100点以上の確率はかなり低そう
 
って感じですよね。ここで仮に、
 
  • 1級の能力が無い人が、ある得点以上を取る確率
 
が分かったとします。この確率をp値と呼ぶことにしましょう。
例えば、
1級の能力が無い人が60点以上の得点を取る確率が10%だとすると、
60点のp値は10%となります。
受験生の得点に応じてp値が割り振られます。
 
仮に、1級の能力が無い人が、
  • 0点以上の確率が100%
  • 20点以上の確率が90%
  • 40点以上の確率が50%
  • 60点以上の確率が10%
  • 80点以上の確率が 5%
  • 90点以上の確率が 1%
とします。この場合、
  • 0点のp値は100%
  • 20点のp値は90%
  • 40点のp値は50%
  • 60点のp値は10%
  • 80点のp値は 5%
  • 90点のp値は 1%
となります。
p値とは、1級の能力が無い人が、ある得点以上を取る確率と思ってください。
高得点になればなるほどp値は小さくなります。
 
  • p値が小さい(高得点) ⇒ 「1級の能力がない人」には無理っぽい。
  • p値が大きい(低得点) ⇒ 「1級の能力がない人」でも可能だろう。
 
という感じになります。
 
検定では、得られた証拠をもとに帰無仮説が棄却できるかどうかを判断します。
今回の例では、
テストの得点を証拠として、
 
帰無仮説:1級の能力なし
対立仮説:1級の能力あり
 
について判断します。基本的な考え方は
 
  • p値が小さい ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説を採択する
  • p値が大きい ⇒ 帰無仮説を棄却できない
 
「対立仮説を採択する」とは、試験に合格して「1級の扱い」になる、ということです。
 
ところで、p値が大きい、小さいといってもあいまいですよね。
どの程度の大きさだと大きいといい、
どの程度の小ささだと小さいというのか、
その目安があると便利でしょう。
 
検定では、p値の大きさを判断する目安に名前がついており、
有意水準」と呼ばれています。
有意水準と書くと長いので  α と書くこともあります。
 
 α = 「有意水準
 
有意水準の使い方について説明します。
 
p値が有意水準 α よりも小さいかどうかで、
帰無仮説を棄却するかどうか決めます。
 
  • p値 < α ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説が採択される
  • p値 > α ⇒ 帰無仮説を棄却できない
 
有意水準 α は判断の目安です。
 
今回の例では、
受験生の得点からp値が決まり、p値よりαが大きければ1 級合格になります。
αが大きいとき、合格しやすい簡単な試験になるのです。
αは試験の簡単さを表しているといえます。
 
p値は受験生の得点、
αは合格点に対応しています。
 
合格点が低いとき(例えば10点以上を合格とすると)、簡単な試験だからαの値は大きくなります。
合格点が高いとき(例えば90点以上を合格とすると)、難しい試験だからαの値は小さくなります。
 
ここで重要なポイント。
 
統計における検定では、αの値は自分で決めるものです。
 
今回の例でいうと、
αの値を自分で決めるとは、試験の難易度を決めるということであり、
試験を作成する側の仕事です。
 
では、どのようにαを決めればよいのか?
 
多くの人たちは有意水準として
 
α = 0.01
α = 0.05 
 
を使っています。
ですので、α は 0.01 か 0.05 のどちらかにする、と思っておけば良いでしょう。
(0.01 =1%、0.05 =5% と書くこともあります)
α を決めるのに、特に計算をする必要はありません。
1%か5%の好きな方を選べばいいのです。
 
先ほども書きましたけど、αが大きいとき、合格しやすい簡単な試験になります。
α=1%  と α=5% で比較すると、
 
α=1% は、かなり難しい(合格点は、かなり高い)
α=5% は、ちょっと難しい(合格点は、ちょっと高い)
 
となります。

α=5% とは具体的にどういうことか、ちょっと復習してみましょう。
 
まあ、有意水準 αとは、1級の能力がないのにラッキーで合格した人の割合だと思ってください。
 
α =5%のときとは、
100人中95人は実力通り不合格になったけど、5人はまぐれで合格してしまう、
って感じだと思えば大体OKでしょう。
1級の能力が無い人でも5%の確率で合格してしまうくらいの難易度の試験である、ということです。
 
 
今回の例は、得点というデータをもとに、
 
帰無仮説:1級の能力なし
対立仮説:1級の能力あり
 
について判断する、という話でした。
得点は高ければ高いほど、対立仮説寄りなデータと見なせることに注意してください。
 
p値とは
  • 「1級の能力が無い人」が「ある得点以上」を取る確率
と説明しましたが、より具体的に考えてみましょう。
 
Aさんが受験して、60点を取ったとします。
このとき、Aさんのp値は
 
  • 「1級の能力が無い人」が「60点以上」を取る確率
 
になります。つまり、
 
  • 「1級の能力が無い人」が「60点と同じか、60点よりも良い得点」を取る確率
 
になります。Aさんの得点である60点を「現実のデータ」として、
仮説という用語を使って書き直してみましょう。
 
p値とは
  • 仮に「帰無仮説が正しい」とき、「現実のデータと同じか、その値よりも対立仮説寄りなデータ」が得られる確率。
になります。
 
ところで、
p値はコンピュータで自動的に計算されることが多いですので、
p値の求め方についてはあまり気にしなくても良いです。
重要なのは、p値の意味と使い方です。
 
 
今回のまとめ
p値とは、
  • 仮に「帰無仮説が正しい」とき、「現実のデータと同じか、その値よりも対立仮説寄りなデータ」が得られる確率。
p値の使い方
  • p値が小さい ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説を採択する
  • p値が大きい ⇒ 帰無仮説を棄却できない
 
実際には有意水準 α と比較して判断する。
  • p値 < α ⇒ 帰無仮説を棄却する ⇒ 対立仮説が採択される
  • p値 > α ⇒ 帰無仮説を棄却できない
 
質問などがありましたら、コメントお願いします。
 
検定の記事は一旦終了します。
 
過去記事もありますので、よろしければ見てくださいね↓

検定その4:どちらが帰無仮説で対立仮説か見分ける方法

前回、検定には役割が違う2つの仮説があり、「帰無仮説」と「対立仮説」という話をしました。
 
 
 
検定では原則として、採択されうるのは対立仮説のみであり、
帰無仮説を採択するという結論は得られません。
ですので、
 
捨て去りたい方の説を「帰無仮説
正しいと証明したい説を「対立仮説」
とする方が望ましいです。
 
例えば、
新薬を開発した会社が、「薬に効果があるということを証明したい」としましょう。
この場合、
「薬に効果がない」が捨て去りたい説で、
「薬に効果がある」が正しいと証明したい説ですよね。
ですので、
 
帰無仮説:薬に効果がない
対立仮説:薬に効果がある
 
とすると良いでしょう。
 
しかし、ここで注意して欲しいことがあるのです。
 
捨て去りたい方の説を「帰無仮説
正しいと証明したい説を「対立仮説」
というのは、必ずしも正しいとはいえないのです。
 
2つの仮説があるとき、
どちらが帰無仮説でどちらが対立仮説かを決めるのは、
別の理由があるのです。
その理由については後で説明することにします。
 
まずは、理屈はさておき、簡単な見分け方を紹介しましょう。
 
以下の用語で表されているのは帰無仮説
  • 差がない 
  • 関係ない
  • 違いがない
  • 今までと同じ
  • 変化なし
  • 効果がない
 
帰無仮説が間違い」という説が対立仮説。例えば
  • 差がある 
  • 関係ある
  • 違いがある
  • 今までと違う
  • 変化あり
  • 効果がある
 
例1:A君とB君の能力差に興味がある場合
 
帰無仮説:A君とB君に能力差はない
対立仮説:A君とB君に能力差はある
 
例2:血液型と性格の関係に興味がある場合
 
帰無仮説:血液型と性格に関係ない
対立仮説:血液型と性格に関係ある
 
ところで、
「差がない、関係ない」といった仮説をなぜ帰無仮説にしたのか?
 
ここからは、
どちらを帰無仮説にし、どちらを対立仮説にするのか、
その決め方と、そのようにする理由について解説したいと思います。
 
帰無仮説とは何であるのかを前回説明しました。
 
前回の話で今回必要なのは、
 
検定では、原則として、証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているかどうかを判断する、
 
ということです。
証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているか判断するのです。
調べるのは帰無仮説のみなのです。
「対立仮説」については特に調べません。
ですので、
調べやすい仮説を帰無仮説にした方が良いでしょう。
 
調べやすい仮説とは例えばこういうことです。
 
例:ある事件の犯人がどの都道府県に潜んでいるのか?
 
「犯人は東京にいる」という説があるとします。
この説を調べるには東京都内のみ調べればいいですね。
一方「犯人は東京以外にいる」という説があるとすれば、
北海道、青森、秋田、・・・、沖縄
と沢山調べないといけなくなります。
「犯人は東京にいる」という説は1つです。
一方、
「犯人は東京以外にいる」という説は
「犯人は北海道にいる」または「犯人は青森にいる」または「犯人は秋田にいる」または・・・
というように複数の説が集まったものです。
検定では、
1つの説を「単純仮説」、
複数の説が集まったものを「複合仮説」といいます。
 
  • 本当に1つの仮説である。(単純仮説)
  • たくさんの説が集まって1つの仮説になっている。(複合仮説)
検定では、証拠をもとに帰無仮説が間違っているかどうかを調べるのですが、
調べるのは楽な方が良いので、
単純仮説を帰無仮説にしたほうが良いのです。
 
帰無仮説か対立仮説かの見分け方
  • 単純仮説 → 帰無仮説
  • 複合仮説 → 対立仮説
 
文章で書くと分かり辛いですが、式で表すと分かりやすくなるかもしれません。
 
帰無仮説(単純仮説)は  =  (イコール)を使って書ける。
対立仮説は必ずしもそうではない。
 
例:
帰無仮説:犯人がいる都道府県 = 東京 (東京にいる)
対立仮説:犯人がいる都道府県 ≠ 東京 (東京以外にいる)
 
この例を頭に浮かべて、なんとなくでいいですので、
検定の流れをイメージできるようになればいいでしょう。
 
大きな世界のなかで、小さな場所を一カ所ピンポイントに絞って調べて、
そこが違う、
ということを示すことにより、
そこ以外にいる、
ということを明らかにしようとする、というイメージです。
ピンポイントに選ばれるのが「帰無仮説」というもので、
それ以外が「対立仮説」なのです。
 
 
ところで、例1をもう一度考えてみましょう。
 
例1:A君とB君の能力差に興味がある場合
 
帰無仮説:A君とB君に能力差はない
対立仮説:A君とB君に能力差はある
「能力差がない」という仮説は単純仮説です。
一方、
「能力差がある」という仮説は複合仮説です。
たとえば、
「A君の方が能力がかなり高い」または「A君の方が能力が少し上」または「A君のほうが能力が少し下」または
「A君の方が能力がかなり低い」
といった感じに複数の仮説が集まっているのです。
 
 
では復習問題。単純仮説か複合仮説かを念頭に入れて、考えてみてください。
 
問1:ある薬が効果があるかどうか、を調べる場合。
「効果がある」「効果がない」のどちらが帰無仮説?どちらが対立仮説?
 
問2:血液型と性格に関係があるかどうか、を調べる場合。
「関係ある」「関係ない」のどちらが帰無仮説?どちらが対立仮説?
 
問3:ある政策の結果、内閣の支持率が上がったかどうか、を調べる場合。
「支持率が上がった」「支持率変わらず」のどちらが帰無仮説?どちらが対立仮説?
 
 
答え
問1:帰無仮説「効果がない」、対立仮説「効果がある」
問2:帰無仮説「関係ない」、対立仮説「関係ある」
問3:帰無仮説「支持率変わらず」、対立仮説「支持率が上がった」
 
 
解説:
問1
効果がないは、
効果 = 0
と書けるので帰無仮説(単純仮説)です。一方
効果があるは、
効果 ≠ 0
と書けます。これは効果 =1かもしれないし 100かもしれませんので対立仮説(複合仮説)です。
問2
関係ないは
関係 = 0
と書けるので帰無仮説(単純仮説)です。一方
関係ありは、
関係 ≠ 0
と書けます。これは関係 =1かもしれないし 100かもしれませんので対立仮説(複合仮説)です。
問3
ある政策を実施する前と後の支持率を比較する。
支持率変わらずとは、
前の支持率 = 後の支持率
と書けるので帰無仮説(単純仮説)です。一方
支持率が上がったは
前の支持率 < 後の支持率
と書けます。これは
1%上昇(前の支持率 + 1% = 後の支持率)
かもしれないし
10%上昇(前の支持率 + 10% = 後の支持率)
かもしれませんので対立仮説(複合仮説)です。
 
今回のまとめ
  • 帰無仮説は単純仮説というのが原則。
    • 例えば「差が無い」、「関係ない」、「効果が無い」など
 
質問などがありましたら、コメントお願いします。
 
 

マグフォーマー:こだわりの遊び方

うちの赤ちゃん、
3歳向けの知育玩具
マグフォーマー
で遊んでいるんですけど、
ちょっと前から
 
床にマグフォーマーを並べて、くっつける
 
という遊びに熱中しています。
 
立体を作ることはできません。
お手本として立体を作ってあげても、真似をしてくれません。
 
ウキャ!
 
って言いながら、お手本を破壊してしまいます。
 
立体が好きではないようです。
 
というわけで、平面的に床に並べてくっつける、
という遊びに熱中しています。
 
でも、面白いんですよ。
 
赤ちゃんにも「こだわり」があるのです。
 
例えば「薄い色」を表側にする。
 
とか。あと、
 
「同じ形」のみをくっつける。
 
とか、そんなこだわり。
匠の技のようなもので、結構綺麗な模様を創ってくれます。
 

検定 その3:帰無仮説と対立仮説(役割が違う2つの仮説)

前回、検定とは得られた証拠をもとに結論を下すこと、と説明しました。
 
統計における「検定」は「仮説検定」といいます。
 
検定の話に「仮説」が出てくるのはなんで?
って思う人は過去記事を見てください。
 
仮説。
 
仮の説。
 
日常会話で使うとすると、
絶対に正しいとは言えないにしても
「まあ、そうなんじゃないかな?」
って思える説のこと。
こんな感じでしょうか?
 
まあ、
正しいかも?って思う説ならなんでもいいです。
っていうか、
間違ってるかも?って思う説でもいいです。
それが、真偽不明の説ならば、
どんな説でも「仮説」と呼ぶことにしましょう。
 
ここからが重要なところです。
分かり辛いかもしれませんが、
統計には常に2つの仮説があるのです。
 
例えば、
 
A君がある説を思いついたとしましょう。
それをA君の仮説とします。
仮説ですので真偽は不明ですが、
A君は正しいと思っています。
 
それに対して、B君が
「A君の仮説は間違っている!」
と思ったとします。
このB君の思いつきも仮説なのです。
B君の仮説は
「A君の仮説は間違っているという仮説」
です。
 
まとめるとこんな感じです。
 
2つの仮説がある
  • A君の仮説
  • B君の仮説(A君は間違っているという仮説)
 
このように、どんな仮説に対しても、
「その仮説は間違っている」
という仮説があるのです。
 
検定では、このような2つの仮説を扱っています。
それを「帰無仮説」と「対立仮説」と呼びます。
 
2つの仮説がある
 
両方とも「仮説」ですので真偽は不明です。
検定では、証拠をもとに仮説が正しいかどうかを判断するのですが、
仮説が正しいと判断されたとき「仮説を採択する」といい、
間違っていると判断されたとき「仮説を棄却する」といいます。
 
ここで、検定の仕組みを理解する際に重要なポイント。
 
同じ仮説でも、「帰無仮説」と「対立仮説」は扱いが違います。
検定の主役は「対立仮説」です。
検定では原則として、帰無仮説を採択するという結論は得られません。
大抵の場合、対立仮説を採択することが目的なのです。
 
ですので、
正しいと証明したい説を「対立仮説」とする方が望ましいです。
(絶対にそうできるという訳ではありません。これは次回説明します)
というわけで、捨て去りたい方の説を「帰無仮説」にしたほうが良いでしょう。
 
ここで検定の基本的な考え方をまとめておきます。
今は読み飛ばしても良いです。
 
(ここから)
検定の流れ
  • はじめは、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいかが分からない。
  • そこで、証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているかどうかを判断する。
  • その結果、次のどちらかになる。
(ここまで)
 
この検定の仕組みを理解するために、漢字検定を例に説明してみます。
 
ある人が漢字検定1級に合格したいと思っているとします。
検定のテストの結果、
 
  • 不合格
  • 合格
 
の2通りになります。
 
テストの結果が良ければ、合格だけど、
ヤマが当たってラッキーだったのかもしれません。
テストの結果が悪いときは、不合格ですけど
本来の能力を発揮できなかったのかもしれません。
 
そこで、テストの結果は
 
  • 不合格
    • 1級の能力なし
    • 1級の能力あり(本来の能力を発揮できず不合格になった)
  • 合格
    • 1級の能力なし(ヤマが当たってラッキーで合格した)
    • 1級の能力あり
 
の4通りと考えても良さそうですね。
 
でも、実際には、ヤマが当たってラッキーな人でも
合格は合格です。ですので、世間では、
1級の能力があるという扱いになりますよね。
 
つまり、扱いとしては、
 
  • 不合格
    • 1級の能力なし
    • 1級の能力あり(本来の能力を発揮できず不合格になった)
  • 合格
    • 1級の能力なし(ヤマが当たってラッキーで合格した)
    • 1級の能力あり
 
となります。
 
「1級の能力がある人」と「1級の扱いを受ける人」
とは別であることに注意してください。
「1級の能力がある人」は合格・不合格の両方にいます。
 
一方、
 
「1級の扱いを受ける人」は「合格した人」だけです。
 
上の例を「仮説」という用語を使って説明してみましょう。
 
仮説を上手に設定するには、
捨て去りたい方の説を帰無仮説
正しいと証明したい方の説を対立仮説
とすると良いです。そこで
 
帰無仮説:1級の能力なし
対立仮説:1級の能力あり
 
としましょう。すると
 
  • 不合格
という扱いになると書き換えられます。
 
検定のテストの結果、
不合格ならば、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいのか判断できません。
合格ならば、対立仮説が正しいと判断します。
そういう扱いなのです。
対立仮説が正しいと判断することを、対立仮説を採択する、といいます。
 
簡潔にまとめると
  • 不合格
    • どちらともいえない 
  • 合格
    • 対立仮説を採択する(対立仮説が正しいという扱いになる)
となります。
 
ここで重要なポイント。
 
「対立仮説が正しい」ということと「対立仮説を採択する」ことは違います。
 
先ほどの例でいうと、
「対立仮説が正しい」とは「1級の能力がある」
ということです。
一方、
「対立仮説を採択する」とは「1級の扱いをする」
ということです。
 
 
ところで、
テストで合格したら「1級扱い」になります。
不合格の人には、特になにもありません。
テストの目的は、合格者に1級のお墨付きを与えることです。
合格者の中に「1級の能力がない人」が多少は含まれるにしても、
なるべく少なくなるようにしたいですよね。
 
1級のブランド価値を守りたい場合、
1級の能力がない人を落とすことを主目的としたテストをする
ことになるでしょう。
例えば、1級の能力がない人が間違えやすい問題を出題する、ということです。
そうすると、1級の能力がない人を落とすことができます。
 
つまり、
  • 受験生が「1級の能力がない」と想定して、その想定が正しいかどうかをテストで判断する。
ということです。
でも、ちょっと待って。
「正しいかどうか」ということと「間違っているかどうか」とは同じような意味ですよね。
ですので
  • 受験生が「1級の能力がない」と想定して、その想定が間違っているかどうかをテストで判断する。
と書き換えることができます。
 
これを仮説という用語で表してみましょう。今回の例では
 
帰無仮説:1級の能力なし
 
でしたので、
 
  • 帰無仮説が正しいと想定して、その想定が間違っているかどうかをテストで判断する
 
となります。
 
検定では、原則として、
 
証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているかどうかを判断します。
 
以上を踏まえて、検定の流れをまとめておきましょう。
 
 
〈検定の流れ〉
  • はじめは、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいかが分からない。
  • そこで、証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているかどうかを判断する。
  • その結果、次のどちらかになる。
 
 
今回のまとめ
  • 役割が違う2つの仮説があり、「帰無仮説」と「対立仮説」という。
  • 検定では、原則として、証拠をもとに「帰無仮説」が間違っているかどうかを判断する。
  • 検定の結果は、「帰無仮説は棄却できない」か「対立仮説を採択する」のどちらかである、というのが原則。
  • 帰無仮説は棄却できない」とは「どちらともいえない」ということである、というのが原則。
 
 
補足:有意水準について
ところで、合格した人(1級扱いの人)は
  • 1級の能力なし(ヤマが当たってラッキーだった)
  • 1級の能力あり
の2通りありますよね。
もし、1級の能力がないのに合格した人が多くいたら、
検定の信憑性が疑われます。
 
検定の結果の信憑性は「有意水準」というもので表します。
 
有意水準は α(アルファ)という記号で書かれることが多いです。
 
まあ、有意水準とは、1級の能力がないのにラッキーで合格した人の割合だと思ってください。
 
有意水準5%のときとは、
100人中95人は実力通り不合格になったけど、5人はまぐれで合格した、
って感じだと思えば大体OKでしょう。
 
このように、検定では、まぐれで合格する人がいることを想定しています。
 
 
 
質問などがありましたら、コメントお願いします。
 
 

検定 その2:統計における「検定」とは何か?

 
前回お話しましたように、
統計の話に「仮説検定」というものがあります。
 

 過去記事

www.kumonoshu.com

 

 以後、仮説を省略して「検定」と呼ぶことにしましょう。
 
統計における検定とは何かといいますと、
まあ、誤解を恐れずに一言でいえば、
  
検定とは得られた証拠をもとに、結論を下すことです。
 
この際に重要な点は、証拠の信憑性です。
 
確実な証拠があるのならば、信憑性を気にする必要はありません。
 
完全に調べきり、
十分な証拠があるならば信憑性を気にしなくても良いかもしれません。
検定が必要なのは、
十分な証拠はないけれど、いくつかの証拠があるときです。
 
例えば、テストの成績。
 
A君の学力が高いかどうか、
はテストの結果を見れば判断できますよね。
学力の判断のための「証拠」がテストの点です。
 
例えば、あるテストで良い成績をとったとします。
でも、1回のテストなら偶然かもしれません。
1回のテストでは「確実な証拠」にはなりません。
 
いままでのA君の成績がいまいちだったとしたら、
今回のテストが良い点であったとしても、
偶然だと思われてしまうかもしれません。
 
1回のテストで良い点をとっても、
A君の学力が高いと判断されないかもしれないのです。
1回のテストでは信憑性が低いからです。
 
このように、検定では、証拠の信憑性で、ものごとを判断します。
 
ところで、信憑性が高ければ良いのですが、
証拠が少なくて信憑性が低い場合もありますよね。
 
でも、信憑性が低い証拠を使ってものごとを判断した結論って、
何だか、うさん臭いですよね。
 
検定では、結論のうさん臭さを確率で判断します。
 
確率とは、
ある出来事がどのくらい起きる可能性があるのかを表すもので、
0~100%の間の値を取ります。
 
うさん臭さの基準は
と呼ばれています。
 
例えば、有意水準5%で判断した結果というものは、
 
5%位は、まあ、うさん臭いけど、95%信頼してもいいかな~
 
って扱いになります。
 
 
ところで、証拠の信頼性は高い方が良いです。
ですので、A君に複数回テストを受けてもらい、
その結果を平均して判断したほうが良さそうです。
A君が受けた複数のテスト結果を平均した平均点で判断すれば、
より正確に学力を判断できるでしょう。
A君の学力の証拠として「A君の平均点」を使う、
という方法です。
 
検定では、「平均値」を証拠として使うことが多いです。
その理由は、1回の証拠よりも、より正確な証拠になり得るからです。
 
 
今回のまとめ
  • 検定とは得られた証拠をもとに、結論を下すこと。
  • 結論のうさん臭さは有意水準で表す。
 
次回は、統計における検定の仮説(帰無仮説と対立仮説といいます)
について説明したいと思います。
 
 
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